要点
- この15年で17を超える国がETAを導入し、2026年までに36を超える渡航先で必要になると見込まれています。
- 2025年のデータでは、ETA申請の26.8パーセントが出発の48時間前を切ってから提出されています。
- オーストラリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランドといった先行組に、イギリス、韓国、そして間もなくEUが加わります。
- EUのETIASは2026年へ、韓国の全面拡大は2025年後半へと、大きな導入が次々にずれ込んでいます。
- ETAがビザ免除に取って代わるにつれ、事前の認証が必要な旅行者が増え、費用と手間、直前のリスクが加わります。
この15年で、17を超える国がETA(電子渡航認証)を導入し、国境を越える手続きのかたちが変わりました。かつてはオーストラリアやアメリカなど一部の国のものでしたが、今では各国に広がっています。イギリスは2023年に導入を始め、EUは2026年からETIAS(欧州渡航情報認証制度)を求める計画で、タイも独自の構想を発表しています。
現在の処理データによると、ETA申請の26.8%はフライトの48時間前を切ってから提出されています。空港のチェックインや搭乗前になって初めて必要だと気づく旅行者が多い、ということがうかがえます。
ETAは国際的な旅の当たり前になりつつありますが、その仕組みと旅行者にとっての意味は、まだ広く誤解されています。
ETAとは何ですか。ビザとどう違いますか
電子渡航認証は、ビザ免除国からの旅行者が搭乗前に取得するデジタル形式の許可です。従来のビザは数週間かかり、裏づけ書類、面談、大使館への訪問を伴うこともありますが、ETAは速さと費用の安さ、そしてオンラインで完結することを前提に作られています。
ETAはたいてい、観光、通過、商用のための短期滞在を対象とします。承認されると電子的に旅行者のパスポートに紐づけられ、入国審査で自動的に確認できるようになります。
主な違い
- ビザ: 書類の準備、生体情報の採取、大使館への訪問、長めの待ち時間を伴う、本格的な申請手続きです。
- eVisa: デジタル形式のビザで、通常はETAより多くの書類が必要で、費用も高めです。
- ETA: 簡略化された事前審査です。ビザ免除の渡航より手間はかかりますが、従来のビザよりずっと軽い手続きです。
これは小さくない変化です。以前はカナダやイギリスに手続きなしで入国できていた旅行者も、今では出発前に申請し、手数料を払い、事前の承認を受ける必要があります。
早くから定着しているETAの仕組み
- オーストラリア(1996年からETA)
- アメリカ(2009年にESTA開始)
- カナダ(2016年からETA)
- ニュージーランド(2019年からNZeTA)
最近導入された仕組み
- イギリス: 2023年から段階的に導入し、2024年までにビザ免除の渡航者全員に義務化。
- 韓国: K-ETAを2021年に開始し、ビザ免除国全体への拡大を2026年に予定。
新しいETAの仕組みは、導入が遅れることがよくあります。韓国のK-ETAは当初2024年にビザ免除国全体を対象にする予定でしたが、少なくとも2025年後半まで先送りされました。EUのETIASも延期を重ね、現在は2026年の開始を目指しています。
これから始まる渡航認証
- スリランカのETA: 2025年10月から必要。
- ETIAS(EU): 2026年に導入予定。
ETAを開発中・検討中の国
- タイ: 時期は未確定。早ければ2025年後半の可能性。
- 南アフリカ: 3段階での導入。最初の試験運用は2025年10月の可能性。
- 日本: ETAの導入が正式に発表済み。開始の詳細は未定。
- 韓国のK-ETA: ビザ免除国全体への拡大を2026年に見込む。
2026年までに、36を超える渡航先でETAが必要になると見込まれています。何百万人もの旅行者にとって、「ビザ免除」はもはや「手続き不要」を意味しなくなります。
政府がETAを導入するのはなぜですか
政府はETAを近代化の一歩と位置づけており、主な理由として次の点を挙げています。
- セキュリティ: ETAにより、犯罪歴、健康上の懸念、安全保障上のリスクを事前に審査できます。
- 効率: 到着前に旅行者をデジタルで処理することで、空港での待ち時間を減らす狙いがあります。
- 収入: 申請手数料が収入になります。イギリスは16ポンド、カナダは7カナダドルの政府手数料を課しており、アメリカのESTAの政府手数料は21米ドルから40.27米ドルに上がりました。
ETAに観光税を組み合わせている国もあります。ニュージーランドの国際訪問客保全観光税がその一例です。
これらの金額は、各当局が定める政府手数料です。公式ポータルから直接ではなくiVisaのようなサービスを通じて申請される場合は、お手続きと申請内容の確認に対して、政府手数料とは別にiVisaのサービス料金がかかります。
旅行者の不満:反発と抵抗
効率とセキュリティという説明はあるものの、多くの旅行者はETAを余計な障害と見ています。これまでビザ免除だった渡航先では特にそうです。
SNSにも不満の広がりが表れています。イギリスが2023年にETAを導入したときには、手数料を払ったり申請ポータルを使ったりするくらいなら「イギリスは飛ばす」と書き込む旅行者もいました。EUのETIASをめぐっても、似た懸念が出ています。
旅行者からよく聞かれる不満
- 費用がかさむ: 少額でも、家族連れや渡航回数の多い方には積み重なります。
- 使いにくいポータル: 申請サイトは操作が分かりにくく、不具合も起きやすく、多言語対応も乏しいことが多いのが実情です。
- 支払いのハードル: すべての仕組みが世界中の支払い方法に対応しているわけではなく、クレジットカードを持たない旅行者が締め出されてしまいます。
- 直前になって気づく: 空港で初めて必要だと知る方も多く、乗り遅れや余計な負担につながります。
iVisaの共同創業者デイビッド・ペレスはこう話します。「ETAは国境での手続きを速くするために作られました。ただ、導入の仕方がまずければ、障壁と受け取られかねません」
従来のビザのこれから
従来のビザがなくなるわけではありませんが、変わりつつあります。観光、商用、通過といった短期の渡航ではETAが主流になる一方、期限超過のリスクが高いとされる国のパスポートをお持ちの方や、就労、留学、移住、より高いセキュリティが求められる区分では、従来のビザが引き続き欠かせません。
デイビッド・ペレスは、2030年には「ビザ免除の旅」がかなり違うものになると見ています。多くの国が何らかの事前認証を求めるようになり、ほとんどの旅行者にとって本当の意味でのビザ免除の入国はなくなるかもしれません。
ETAは定着し、導入は加速しています。それが賢く効率的な仕組みと見なされるか、移動を妨げるデジタルの壁と見なされるかは、どれだけうまく運用されるかにかかっています。デイビッドはこう締めくくります。「これからの旅は、パスポートにスタンプを押すことではありません。デジタルの仕組みが主役になります。それが世界を動きやすくするのか、それとも制限するのかが、次の国境管理の時代を決めることになります」
以上の内容は一般的な案内であり、法的な助言ではありません。入国のルールはよく変わるため、渡航前に目的地の政府の公式情報でご確認ください。




