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ヨーロッパの新しい渡航ルールに戸惑いの声:ETIASの開始前に整理しておきたいこと

ヨーロッパの国境検査場にあるパスポート
Photo — Get Golden Visa / Unsplash

要点

  • ETIASは2018年以来くり返し延期されており、開始は2026年の第4四半期と見込まれています。
  • 渡航者がETIASとEUの出入国システム(EES)を混同したり、古いネット情報を頼りにしたりして、混乱が広がっています。
  • 運用が始まると、59か国のビザ免除の訪問者は、ヨーロッパ30の渡航先での短期滞在に事前の認証が必要になります。
  • 料金は大半の申請者で20ユーロに設定され、一部の年齢層は免除されます。認証は最長3年間有効です。
  • 公式の開始日が決まるまでは、EUの確かな情報源を追い、出発前に申請の準備を整えておきましょう。

ヨーロッパで待たれ続けているETIAS(欧州渡航情報認証制度)の渡航認証は、8年近く「まもなく開始」の状態が続いています。2018年に発表され、その後何度も延期されてきたこの制度は、国境の安全を高め、ビザ免除国からの渡航者の入国をスムーズにすることを目的としていますが、いまも開始日が確定していません。

導入以来、開始時期はくり返し先送りされてきました。最初は2022年、次に2024年、そして現在は2026年の第4四半期とされていますが、正確な開始日は欧州委員会が今後発表することになっています。

ETIASの開始延期の経緯:2018年に発表、最初の目標は2022年、その後2024年に再延期、現在は2026年の最終四半期が見込み — 正確な開始日は欧州委員会が未確定。

当局は延期の理由として、複数のEUデータベースの統合の複雑さ、インフラの試験、加盟国と関連する30か国の間での方針調整を挙げています。

Facebook、X(旧Twitter)、Reddit、旅行ブログなどのSNSでは、渡航者の間でうわさが飛び交い続けています。

  • 「ETIASはいつ始まるの?」
  • 「いくらかかるの?」

くり返される延期によって、アメリカのESTAやイギリスのETA(電子渡航認証)のような制度に慣れている旅慣れた人でさえ、何を想定すればよいのか分からなくなっています。

混乱の一因は、食い違った情報や、古い、あるいは裏づけのないネット上の情報にあります。記事の公開日を見落としたり、以前のETIASの発表以降更新されていない非公式サイトを頼りにしたりする渡航者は少なくありません。iVisaの渡航書類スペシャリスト、サブリナ・カプリレスはこう説明します。

「ETIASは非常に大がかりな取り組みです。アメリカやイギリスとは違い、これは一つの国が国境の管理方法を変えるという話ではありません。30か国の話なのです」

いま本当に難しいのは期待値の調整です。渡航者に必要な情報を届け、余計な混乱を避けながら安心してもらうことが求められています。

ETIASがヨーロッパに入る何百万人の旅をどう変えるか

運用が始まると、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本を含む59か国のビザ免除国の国民は、ヨーロッパ30の渡航先を訪れる前にオンラインで認証を取得する必要があります。

この仕組みは、180日間のうち最長90日までの短期の渡航に適用されます。渡航者は基本的な個人情報とパスポート情報を提出し、手数料を支払います。ほとんどの承認は短時間で処理され、3年間、または渡航者のパスポートの有効期限までのいずれか早い方まで有効になる見込みです。

実際の使い勝手は、アメリカのESTAや、カナダとイギリスのETAによく似たものになります。ビザではなく、出発前の確認を簡素化し一部を自動化するための事前審査であり、航空会社は搭乗前にETIASの承認を確認することが求められます。

ETIASが渡航者を戸惑わせている理由

ETIASは一見すると単純な仕組みですが、iVisaがX、Reddit、Meta、旅行ブログを対象に行った2024〜2025年のソーシャルリスニング分析では、渡航者の話題の中心はいまも「混乱」であることが分かりました。

仕組みを理解しようと前向きな人が多い一方で、ネット上の会話の多くには、不確かさ、誤った情報、ばらばらな見通しが表れています。分析からは、渡航者がETIASについて語るときの4つのパターンが見えてきました。

1. 制度を体験した(と思っている)渡航者

ETIASはまだ始まっておらず、いま渡航者が経験している新しい国境検査は、ETIASではなくEUの出入国システム(EES)によるものです。

レイトン・アンドリューズ氏はBlueskyにこう投稿しました。

「コペンハーゲンに入るとき、新しいEUのETIASを通らなければなりませんでした」

これに対して、別のユーザーがすぐに指摘しました。「それは出入国システム(EES)のことでは? ETIASはアメリカのESTAにあたるもので、まだ始まっていないはずです」

一方Redditでは、ある渡航者が出入国システム(EES)とこれから始まるETIASを取り違えて、慌てて助けを求めていました。

2. ETIASで面倒や遅れが増えると考える渡航者

ETIASは大きな不便になると考える渡航者は多く、Xでは、この仕組みを避けるためにEUのパスポートを取れる人は取ったほうがいい、と他の人にすすめる声さえ見られます。

3. 日付や仕組みについて助言し、かえって混乱を広げる渡航者

分かりやすい例が、ある旅行ブログの記事に寄せられた読者のコメントです。

「制度が完全に運用される2026年4月までは、10月12日以降はじめての渡航なら、入国時にまだスタンプを押されるでしょう」

4. 旅行の前にETIASが始まってしまうと不安に思う渡航者

あるFacebookユーザーはこう書いています。「5月の半ばに、担当の人から[渡航にETIASが必要になるかもしれないと]言われたばかりです」

「こうしたネット上の反応から見えるのは、渡航者が関心を持ちながらも戸惑っているということです」と、iVisaのUGCコンテンツリサーチャー、マリツァ・ガードナーは話します。

料金と、その受け止められ方

EUは当初、ETIASの料金を7ユーロにする想定でしたが、制度づくりが進むにつれ、事務費用のために実際の金額はもっと高くなることが明らかになりました。

欧州委員会の移民・内務総局は、EUビザ戦略の採択を受けて、制度の開始時点でのETIASの料金を大半の申請者について20ユーロに設定し、一部の年齢層を免除としました。

料金は申請ごとに課され、認証は最長3年間、または渡航者のパスポートの有効期限まで有効です。

金額自体は従来のシェンゲンビザほど高くはありませんが、それを取り巻く不透明さは、多くの渡航者にとって象徴的な重みを持っています。すでに複雑な旅程に、デジタルの手続きがもう一つ加わることを意味するからです。

完全に運用されれば、この制度は年間数千万人の渡航者を処理すると見込まれており、料金は国境インフラの維持、システムの運用、データの安全確保にあてられます。

Google Flightsのデータによると、2025年1月1日から11月1日までの間に、対象国からETIASが必要な渡航先への航空券検索は1億4,900万件を超えました。渡航者が航空券を探し始めるのは出発の平均74日前で、旅行の期間はおおむね8.5日でした。まもなくETIASの枠組みに入る旅の流れがはっきりと見て取れます。

ほかの制度から学べること

開始前に懐疑的な目を向けられた電子渡航認証は、ETIASが初めてではありません。アメリカが2009年にESTAを導入したときも、渡航者はビザとの違いをつかみかねていました。

カナダのeTAやイギリスのETAも同じような戸惑いを受けましたが、数か月のうちに利用は当たり前になり、ほぼ全員が対応するようになりました。今回も同じ結果になりそうです。ETIASも、手続きの速さと簡単さを渡航者が実感すれば、すぐに日常のものになると見られています。

渡航者がいまできること

  • 公式の情報源を追う: ETIASの開始日が確定するまでは、EUの正式な発表と、iVisaのような信頼できるサービスの更新情報だけを頼りにしましょう。
  • 前もって準備する: 運用が始まったら、直前に慌てないよう、出発の数日前にはETIASの申請を済ませておきましょう。
  • 落ち着いて捉える: ETIASは渡航者と国境の双方を守るための予防的な仕組みであり、ヨーロッパを訪れる壁ではありません。大使館に出向く必要も、残高証明や宿泊証明、招待状といった多くの書類も要らない、わかりやすい手続きです。
  • 却下について: まだあまり話題になっていませんが、ETIASの申請が却下されることもある点は知っておきましょう。その場合、ビザ免除国の出身であっても、通常のシェンゲンビザを申請する必要が出てくることがあります。

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