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イギリスのETA:必要な安全保障の措置か、それとも政治と経済の道具か

ヨーロッパの国境検問所に置かれたパスポート
Photo — Dennis Rochel / Unsplash

要点

  • 2025年4月から、イギリスとアイルランドの国籍をお持ちでないすべての訪問者にイギリスのETAが必要になります。
  • EU域外の国民は2024年11月27日から申請を始められるようになりました。
  • iVisa共同創業者のセルヒオ・メリーノは、この仕組みの本当の動機が安全保障なのかを問いかけます。
  • イギリスのETAは、オーストラリアのETAやアメリカのESTAがすでに築いた流れをなぞっています。
  • 歳入、観光促進、外交上の交渉力が、国境の安全と同じくらい重視されているように見えます。

2025年4月までに、イギリスまたはアイルランドの国籍をお持ちでないイギリスへのすべての訪問者は、到着前にイギリスのETAが必要になります。EU域外の国民は、2024年11月27日から申請を始められるようになりました。ここまでは実務上の事実ですが、話はそれで終わりません。

iVisaの共同創業者として、私は10年以上にわたり、各国政府が人の国境を越えた移動をどう管理してきたかを見てきました。EUの原加盟国の一つがブレグジットで離脱するのも目にしました。ですからイギリスがETA(電子渡航認証)を発表したとき、最初に浮かんだ問いは、時期や費用や申請方法だけではありませんでした。心に残ったのは、もっと単純で、もっと答えにくい問いです。なぜイギリスはこのETAを導入することにしたのか。そして、それは掲げられた目的に本当にかなっているのか。

その答えを探るには、イギリスが手本にしている仕組みを見るのが役に立ちます。

オーストラリアのETA:管理と歳入の先例

オーストラリアは電子的な出入国管理の先駆けで、1996年にETAを始めました。当時は、2000年のオリンピックに向けて見込まれる旅行者の増加に対応するための実務的な解決策でした。初期のかたちでは予約手続きに直接組み込まれていて、旅行者にはほとんど意識されないものでした。

やがて制度は広がり、手数料を取るようになりました。今ではおよそ1,000万人の対象旅行者から年間2億ポンドほどを生み出しており、その収入はオーストラリアの観光振興の資金に充てられています。当初の推進力は安全保障だったかもしれませんが、財政的・政治的な要素も同じくらい重みを持つようになりました。

アメリカのESTA:安全保障か、経済か

アメリカは2008年にESTAを導入し、9.11のテロへの対応であり、国家安全保障の問題だと位置づけました。あの時期を思えば、その説明は理解できるものでした。

ところが2010年には、旅行促進法(Travel Promotion Act)のもとでESTAの有料化が始まり、その収入は観光振興に向けられました。この制度は現在、年間3億ポンドほどをもたらしています。政治的な道具にもなっており、キューバなど制裁対象国からの申請者は却下されることがあります。ここに大事なことが表れています。こうした渡航認証は、安全保障であるのと同じくらい、外交と経済の話でもあるのです。

イギリスのETA:政治的・経済的な一手か

オーストラリアとアメリカの例に続くかたちで、ブレグジット後の状況は、イギリスに自国の出入国管理を強める機会と動機の両方を与えました。

一つ、目立つ違いがあります。アメリカが当初ESTAを無料で提供したのに対し、イギリスは最初から有料にしました。旅行者は入国のために対価を払う、という点をイギリスは先行例から学んだのでしょう。年間およそ2,000万人の申請者が見込まれるなか、イギリスのETAは政府に2億ポンドほどをもたらすと予測されており、その資金はほかの国々と同じように観光振興を支えることになりそうです。

さらに外交という側面もあります。ETAは国と国との関係のかたちを左右します。ある国籍にはビザを求め、別の国籍にはETAの対象資格を与えることで、政府は圧力をかけることも、好意を示すこともできます。これは単なる事務手続きではなく、交渉の材料です。

より大きな構図:ETAは本当に安全保障のためなのか

EUがETIAS(欧州渡航情報認証制度)の導入を進めるなか、電子的な渡航認証は世界の当たり前になりつつあります。それでも私は、その本当の推進力について同じ疑問に立ち返ってしまいます。

安全保障は、たしかに要素の一つです。ただ、より大きな動機は政治的・経済的なものに見えます。歳入を生み、観光を促し、外交的な影響力を及ぼすことです。もし安全保障だけが関心事なら、それぞれが独自に手数料を集める国ごとのばらばらな仕組みではなく、もっと統一された国際的な連携が期待できるはずです。

私の結論は、イギリスのETAは安全保障の言葉に包まれた財政・外交上の戦略として理解するのが最もよい、というものです。これまでにも見てきたかたちであり、これからも間違いなく見ることになるでしょう。

著者について

セルヒオ・メリーノはiVisaの共同創業者で、エンジニア、スタートアップ創業者、プロダクトディレクターとして15年以上の経験があります。ハーバード・ビジネス・スクールとマドリード工科大学を卒業し、複雑な仕組みをシンプルにすることに取り組んでいます。LinkedInでつながることができます。

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